|
クラッシュ・ウェスタン2 ~Leute beim Edelstein~
|
![]() |
- TOP
- >
- リボルバー
- >
- クラッシュ・ウェスタン2 ~Leute beim Edelstein~
- >
- 第十七章
もみみ(5年前)
バート・ラマー(6年前)
2199(7年前)
2199ノークラ(7年前)
クラットン2(7年前)
ココバンディクー(8年前)
水無月ニトロ(8年前)
RITAL(9年前)
イエクラ(9年前)
asRiche3j8bh(9年前)
テトラピアノ(9年前)
asRichp4zuit(9年前)
オリキャラ短編集協会(9年前)
asRichg3gtwn(9年前)
わいるどた~ぼ(9年前)
asRichajohom(9年前)
ショートケーキ(9年前)
asRichw7ffmu(9年前)
スティックス・ザ・バジャー(9年前)
asRichqi316v(9年前)
asRichct3qjk(9年前)
リボルバー(10年前)
ぽぴゅらあ(10年前)
りんごっち(10年前)
sasuke(11年前)
回転撃(11年前)
ルイカメ(11年前)
ヴァイオレット(11年前)
えぞももんが(/・ω・)/(11年前)
隼人 (11年前)
まんじねーしょん(11年前)
CURA(11年前)
ハートオブハート(12年前)
フレイム(12年前)
ゲーマー(12年前)
クラットン(12年前)
ひろき(12年前)
ひろき(12年前)
HIROKI(12年前)
GGGGGGGGG(12年前)
IA・N(12年前)
かめちき(12年前)
霧雨(12年前)
てんし(12年前)
昇太/神馬当瑠(13年前)
風のクロノア(13年前)
オリキャララジオ放送社(13年前)
ここなっつココ(13年前)
いお太(13年前)
テクノしん(13年前)
リレー小説委員会(13年前)
ここなっつ(13年前)
気まぐれCocoちゃん(13年前)
たクラッシュ(13年前)
ダークネス(13年前)
早川昇吾(13年前)
しんごwww(13年前)
サム(13年前)
クランチバンディクー(13年前)
闇っぽいけど闇じゃない。永遠の炎の神様メフィレス(13年前)
イエクラ.com(13年前)
イエクラ@山手(13年前)
回転撃(13年前)

第十七章
2012/06/02(土)00:41:33(13年前) 更新
これより下は本編です
Vater基地の中央施設。その内部にある巨大ホール前の大きな扉の前にクラッシュとリタイラルがいた。
「何だか、嫌な予感がする・・・」
と、クラッシュは言った。
「こんな大きな扉なんだから、よっぽどのものが中にあるんだと思う」
と、リタイラルは言った。
その時、各方面の廊下から続々とメンバーがやってきた。まず最初に来たのはクロックとシクラメンだ。
「クラッシュ、リタイラル、何とかなったのか!」
「よかった・・・多分皆さんも大丈夫でしょうね」
次にやってきたのはザジとココだ。
「皆さん、生きていましたか」
「お兄ちゃん、リタイラルさんに迷惑掛けてないわよね?」
そして次にロックとヘルゼルがやってきた。
「ふぅ・・・ひとまず合流完了だな」
「まだ油断はできそうにないな・・・」
次にやってきたのはペタとポトリゲスだった。
「お待たせー!」
「悪い悪い、ちと道に迷っててな」
そして最後にやってきたのは南だった。
「・・・ほぼ全員集合か」
その時、クラッシュはクリムゾンがいないことに気づいた。
「あれ、クリムゾンは?」
「・・・知るか」
「知るかって、一応クリムゾンだって仲間じゃ・・・」
「仲間だと?お前はどこまで呑気なんだ。あいつの目的は最初から宝石を奪うことだけなんだぞ。此処まで来たら俺らのことなんかどうでもいいんだろうな」
「そ、そう・・・じゃあ、とにかくこのメンバーで今から進むことになる。オイラの予想だと、この奥には・・・」
「保安官、いいからさっさと行こうぜ。早くしないと追っ手が来そうだぜ?」
と、ポトリゲスが急かすように言った。
「わ、分かったよ!じゃあ皆、気を引き締めて!」
クラッシュはそう言って、扉を勢いよく開けようとした・・・が、扉は非常に重たく、びくともしない。
「クラッシュ~、私に任せてよー」
と、ペタはそう言って扉の前に立った。クラッシュは後ろに下がった。
ペタは銃剣を構えて、引き金を引き、素早く扉に向かって四回当てた。
そしてペタは銃剣をしまい、右手で扉をチョンと押した。
すると、扉の一部分のみが奥に向かってゆっくりと倒れ、扉に人一人位なら通れそうな隙間ができた。
「はい、準備完了!」
「す、凄すぎです・・・」
と、シクラメンが唖然としながら言った。
「あ、ありがとう。それじゃあ、行くぞ!」
クラッシュはそう言って扉の隙間から中に入っていった。他のメンバーもその後を追って入っていった。
ホール内部には障害物になりそうなコンテナがぽつぽつ置かれていた。また、ホールは一階部分と二階部分に分かれており、壁にはしごが幾つか設置されていた。
ホールの奥には巨大な扉がまた設置されており、横の壁にも幾つかゲートがあった。
「なんだか、殺風景過ぎて変なところだな」
と、ロックは部屋を見渡しながら言った。
「こういう部屋には大抵罠が仕掛けられているだろうから、用心しないと」
と、クロックが言った。
「・・・あれは?」
ザジはそう言うと、天井付近を指差した。一行はその方向を向いた。
「あれって・・・マスター!?」
クラッシュは驚くように言った。天井には、鳥かごのようにつるされた檻の中にクランチが入っていたのだ。
「待ちわびたぞ、虫けらども!」
突然、ホールに声が響いた。
「誰だ!?」
クラッシュはそう言って辺りを見回したが誰もいない。
「拙者の名はエヌ・ジン!貴様等が来ると聞いて、部屋を奇麗に片付けておいた。敵にも気を遣える拙者の心遣いに感謝せい!」
「何なんだこの人は・・・」
と、ヘルゼルが呟いた。
「ちょっと頭が変なのは確かかも」
と、リタイラルが言った。
「ここまで来ることができたということは、かなりの実力を持っているのだろう・・・拙者も手加減など一切せず、本気で挑ませてもらう」
エヌ・ジンがそう言った瞬間、前方の巨大ゲートの扉がゆっくりと開いていった。一行はゲートの奥のものを見て驚愕した。
そこには巨大なロボットが一体立っていたのだ。恐らく船を襲った物と同じだろうが、左腕のチェーンソーは取り外され、代わりによく分からないものを装備していた。
「拙者が今まで手がけていた中でも最高の作品、DOHC NGIN type-0。こいつの前では貴様等など塵同然・・・」
と、巨大ロボットに乗るエヌ・ジンが言った。
「フッ、メカオタクにしては無骨なデザインだ。もっと痛々しい物を出してくると思えば、意外と硬派だな」
と、南が言った。
DOHC NGINのデザインは、全体的に太く、どっしりと構えており、かなり鈍重そうだ。
「流行の漫画に出てくるロボットのような見た目重視は好かん!あくまで拙者は機能重視、それに尽きる!」
と、エヌ・ジンが言った。
「みんな、おいら達はここまで来ることができたんだ。あんな巨大な相手にも絶対勝てるはずだ!」
クラッシュはそう言ってSAAを構えた。他の者達も次々と武器を構えた。
「フン、三十秒生き延びることができれば褒めてやろう・・・」
エヌ・ジンがそう言った瞬間、NGINの胸部についたビーム砲から極太のビームが発射された。
ビームを回避し、身を隠すためにクラッシュ、ココ、クロック、南、シクラメン、ザジは左側のコンテナに、ポトリゲス、ロック、ヘルゼル、リタイラル、ペタは右側のコンテナの後ろに隠れた。
クラッシュはコンテナから身を乗り出し、SAAの引き金を引いたが、NGINはびくともしない。
「ハッハッハ!そんな豆鉄砲では傷一つつかんぞ!」
と、エヌ・ジンは笑いながら言った。
「なら、こいつはどうだ?」
リタイラルはそう言うと、バズーカを構えてNGINの足目掛けて二発撃ち込んだ。
バズーカ弾はNGINの左足に当たり、大爆発を起こしたが、NGINは悠然と立っていた。
「やっぱり対人用に威力を抑えたから、厳しいな・・・」
と、リタイラルは言った。
「こそこそ隠れながら攻撃しよって小賢しい・・・」
エヌ・ジンがそう言うと、NGINはゆっくりと前進し始めた。
「・・・仕方がない、俺がある程度相手を陽動する。その隙にお前たちは攻撃しやすいポジションに移動してくれ」
南はそう言うと、コンテナの陰で刀を抜いた。
「南、無理はしないで」
と、クラッシュが言った。
「此処で死ぬほど柔じゃない。それにこんな所で死んでたらあいつに笑われるしな」
南はそう言うと、コンテナから飛び出していき、NGINの前に立ちはだかった。
「南か・・・たとえ貴様でも、こいつの前ではどうすることもできないだろう」
「あんまり油断してたらあっさりやられるぞ?」
南はそう言って刀を構えた。
「相変らず生意気な餓鬼だ・・・これでも食らえ!」
その時、NGINの左手からレーザーの剣が出現した。NGINはそれを大きくなぎ払った。
南はそれをジャンプして避けた。
だが、その時NGINは右腕のガトリングガンを南に向けると、高速で回転し始めた。
「チッ、相変らず危なっかしい戦い方しやがるぜ」
ポトリゲスはそう言ってコンテナから飛び出し、シカゴタイプライターを構えて、ガトリングガン目掛けて発射しながら突進して行った。
無数の銃弾がガトリングガンに当たり、ガトリングガンは銃弾を発射する前に煙を上げて壊れた。
南は上手く地面に着地することができた。
「悪いな」
「気にすんなって」
ポトリゲスはそう言ってシカゴタイプライターをNGINに向けた。
「ぬぬ・・・こんな容易くガトリングガンが壊されるとは・・・だが、これはどうだ?」
NGINがそう言った時、NGINの背中から何かが次々と飛び出していった。
その何かは地面に落ちると、その場で動き始めた。
「NGINを護衛する無人兵器、NMW!こいつたちの戦力を侮ると痛い目に合うだろう・・・」
NMWと呼ばれる兵器は、人型二足歩行で、上半身には銃や剣などが取り付けられていた。
NMWはゆっくりと動き出した。
その時、ロックがNMW一体に向かって走っていくと、思いっきりNMWを殴り飛ばした。
NMWは吹き飛ばされ、壁に激突してバラバラにつぶれた。
「機械の癖にたいしたことねえなぁ」
と、ロックが言った。
ロックの攻撃に続き、ヘルゼルとココもNMWとの交戦を始めた。
ヘルゼルはNMWの剣を避けつつヌンチャクを脚部に当てて上手くこかし、ココも足払いでNMWを転倒させていった。
「こいつ等の相手はまかせろ」
「ちっちゃいのは近接戦闘の得意な人がやったほうがいいでしょ?」
「小癪な・・・!」
NGINはヘルゼルのココと方を向くと、レーザーをなぎ払おうとした。
だがその瞬間、二階部分に移動していたペタが素早くNGINに乗り移ると、銃剣の引き金を引き、左肩に突き刺した。
銃剣は簡単に肩を貫いた。
「肩なんてはずしちゃえー」
ペタはそう言って銃剣でNGINの左肩を引き裂いた。左肩より下は地面に落ちていってしまった。
「ぬお!?左腕を落としよったか・・・仕方がない、フェイズ2に移行だ!」
と、エヌ・ジンが言うと、今度はNGINの背中部分のブースターに火がつき、NGINは飛行形態に移行したのだ。
「おっとっと、バランスが取りにくいや・・・」
ペタはNGINから落ちないようにバランスを取っていたが、機体が揺れるため今にも落ちそうだ。
その時、翼を広げたザジがペタの元に素早く飛んでいき、ペタの体を抱きかかえた。
「すぐに地面に降ろしますので・・・」
「ありがとー!」
ザジは地面に近づくと、優しくペタを地面に降ろした。
そして再び翼を羽ばたかせ、NGINの真正面に回った。
「蝿何ぞこの機体に吹き飛ばされてしまえ!」
NGINはザジに向かって勢いよく突進していく。
「・・・頭部のカメラ、もう少し目立たないようにしたほうがいいと思いますよ」
ザジはそう呟くと、ワルサーP38をNGIN頭部についているカメラのような部分に向かって構え、引き金を引いた。
銃弾は正確にカメラのレンズを狙い、見事にヒットした。レンズは音を立てて砕け散った。
ザジは突っ込んでくるNGINを素早く回避した。
「くそ、カメラまで・・・こいつは本格的にまずい・・・」
NGINはその場で急停止し、ホバリング状態になった。
「そこだ!」
その時、二階部分に移動していたリタイラルがバズーカをNGINのブースターに向け、引き金を五回引いた。
バズーカ弾は次々と発射され、全発がブースターにヒットした。
いくら対人用に威力を抑えているとはいえ、5発も連続で当たればダメージは計り知れない。
ブースターは煙を上げて燃え始めた。
「や、やりおる・・・」
エヌ・ジンは焦った表情を浮かべてそう言うと、NGINのブースターを切り、地面に着陸した。
もはや武器を持たないNGINは、ひたすら右腕をブンブン振り回していた。
「後はパイロットを倒すだけだな」
と、南が言った。
「どうやら、操縦席は胸部にあるみたいだ。そこまで何とか行ければいいんだけど、上から飛び移るのは厳しいか・・・」
と、クロックはNMWを格闘術で倒しながら言った。
「任せろ」
南はそう言うと、クラッシュのほうを向いた。
「お前のSAAなら大丈夫そうだな・・・」
「何が?」
「保安官、俺が今からあのガラクタの足に二発の弾を撃ち込む。そいつは外部から刺激が加わると爆発する特殊なブツだ。その二発の弾が足にくっついた瞬間、二つをほぼ同時にSAAで撃ち抜いてくれ」
「う、うん。分かった」
「今ある武器の中で一番早撃ちができる銃はSAAくらいだからな。お前にそんな技術があるか知らないがな」
「まかせといて!一年かけて早撃ちのコツをマスターに教わったから!」
「マスター指導なら安心だ。それじゃあ、行くぞ」
南はそう言って、銃を構え、NGINの脚部に向けた。クラッシュはSAAの銃鉄を引き、右手でSAAを構え、左手を銃鉄付近に添えた。
南は銃の引き金を二回引いた。二つの弾はNGINの両足に上手くくっついた。
その瞬間、クラッシュはまず左足にくっついた弾に向けてSAAを撃ち、瞬時に右足に照準を向けつつ銃鉄を左手で弾いた。
ほぼ同時にSAAの銃口から二発の銃弾が発射され、ほぼ同じタイミングで弾に当たった。
そして、弾は大爆発を起こし、NGINの両足は見事に吹き飛んだ。
「グワァ!これはまずい!」
エヌ・ジンは焦りながらそう言って、急いでコックピットから逃げ出そうとした。
「よし、ボクにまかせて!」
クロックはそう言うと、両足が取れて身長の低くなったNGINに向かっていき、素早く胸部に飛び移ると、コックピットをこじ開けた。
中には必死でシートベルトを外そうとしているエヌ・ジンがいた。
「ちょっと、やめて、許して、お願い!」
と、エヌ・ジンが言った。
「シクラメン、最後の一撃を!」
クロックはそう言ってコックピットのハッチを最大まで空けた。
「はい!」
シクラメンはそう言って走りながらフラワー・スピアを構え、エヌ・ジンに向かって勢いよく投げた。
フラワー・スピアはエヌ・ジンの腹部に突き刺さり、エヌ・ジンはぐったりとその場で気を失った。
「ふぅ、何とかなったか」
クロックはそう言ってフラワー・スピアを引っこ抜き、地面に着地した。
そして、シクラメンにフラワー・スピアを渡した。
「案外、いけるもんだな」
と、ロックが言った。
「小型のロボットも全機倒せた」
と、ヘルゼルが言った。
「と、とりあえず、マスターを助けよう!」
クラッシュはそう言うとはしごの所まで走って行き、スルスルと登っていき二階部分に行った。
そして、クランチの入った折付近まで走っていった。
「どうしたらいいかな・・・」
クラッシュはそう言ってあたりを見渡した。すると、鎖の巻きつけられた大きなリールが設置されていた。鎖の先は檻と繋がっていた。
クラッシュはリールのハンドルを持ち、回し始めた。檻はゆっくりと降りていく。
しばらくして、ついに檻が地面に着地した。
「クランチさん!」
シクラメンはそう言って檻の扉に近づいた。
「・・・何もできなくて悪いな。鍵は持っていたけど、あの高さからだと逃げるに逃げられなくてな」
クランチはそう言うと、シクラメンに檻越しに鍵を渡した。
シクラメンはそれを受け取り、鍵穴に差して鍵を開けた。
クランチはゆっくりと檻から出た。
「クランチさん・・・無事でよかった・・・」
と、シクラメンは安心した表情で言った。
クランチは何も言わないままシクラメンを見ていた。
その時、南がクランチに向かって走ってきた。
「シクラメン、マスターから離れろ!」
「・・・え?」
シクラメンは南が何故そのようなことを言うのか理解できなかった。
その瞬間、クランチはいきなりシクラメンに左手を伸ばしたのだ。
シクラメンは予想外の行動にどうすることもできず、あっさりクランチに捕まってしまった。
クランチは左腕でシクラメンを羽交い絞めにすると、右手に隠し持っていたSAAをシクラメンのこめかみに突きつけた。
南はその場に急停止し、クランチをにらみつけた。
「いいか、お前たち。その場から一歩も動くな、もし変なマネをしたら、この小娘の頭を撃ちぬく」
と、クランチは冷静に言った。
「マスター・・・やはりか」
と、ポトリゲスが呟いた。
「マスター・・・いや、クランチ。俺たちの戦いを見ていたなら、どうするべきか分かるか?」
と、南が言った。
「確かにお前たちは強い。例えこんな状況になっても、瞬時にこの小娘を助け出せるんだろうな。だが、これならどうだ?」
クランチがそう言った瞬間、壁の横のゲートが開き、中から銃を構えたVater組員が大量に出てきた。
今までとは比べ物にならないほどの人員が出てきたこともあり、クラッシュたちは困惑した。
「ま、まだこんなに敵は残ってたのか・・・さすがにもう駄目みたいだ」
と、クロックは若干あきらめたように言った。
「此処でお前たちを殺してもいいんだが、ここは作戦が優先だ。いいか、俺の言うことをしっかり聞け。まず武器を全て地面に落とせ。弾も含めてな。そしたらお前たちの元に組員が行くから、そいつの言うとおりに行動しろ。余計な真似はするな」
と、クランチは言った。
クラッシュたちは言われたとおりに地面に武器を置いた。
すると、Vater組員がクラッシュたちに向かってやってきた。
「両手を出せ」
と、Vater組員はクラッシュたちに命令した。
クラッシュたちは渋々Vater組員に向かって両手を突き出した。Vater組員は、その両手に手錠をかけた。
そして、乱暴に手錠を引っ張ると、クラッシュたちをホールの奥の部屋へと連行した。
「クランチさん・・・」
と、シクラメンが言った。
「今は言うことを聞け。上の気分によっては助かるかもしれないぞ?まぁ、恐らく無理だと思うが」
クランチはそう言って、シクラメンを羽交い絞めにしたままその場を立ち去っていった。
「はぁ・・・はぁ・・・これで全部か?」
「そうみたいだな・・・焼肉パーティーは終わりだ」
Vater基地内施設玄関ホール。そこには戦いの終えたウォーラスとディンゴ、気絶したままのリラ・ルー、そして無数のVater組員の死体がいた。
「保安官たち、上手くやっているだろうか・・・」
と、ウォーラスが言った。
「あいつ等のことだから、余裕なんじゃねぇのか?」
「そうだといいけどな・・・」
その時、リラ・ルーが目を開けた。
「うぅん・・・何や、頭がくらくらするわ・・・」
リラ・ルーはそう言いながら立ち上がった。ウォーラスとディンゴは驚いてリラ・ルーのほうを向いた。
「リラ・ルー!てめぇ、おれっち達のこと分かるか!?」
と、ディンゴが言った。
「・・・何言ってんねん、今まで仲良うしてきたやんけ、ディンゴはん、ウォーラスはん」
「リラ・ル~~~!よかったぜ~!催眠術が解けたんだな~!」
と、ウォーラスが喜びながら言った。
「催眠・・・そうか、ワイ催眠術にかかってたんか!今まで迷惑かけてすまんかったなぁー」
「てめぇが謝ることねぇよ、悪いのはVater何だからな!ハッハッハ!」
「悪いのは全てVater、ですか」
突然、ホール入り口のほうから声が聞こえた。三人は入り口の方を向き、驚愕した。
「そ、村長はん!?何でここにおるんや!?」
何とそこにはアーネストがいたのだ。
「何でかって?何故なら此処は僕の別荘みたいな物ですからね。さぁ、あなたたちには此処で眠ってもらいましょう」
アーネストがそう言った瞬間、アーネストの後ろから今までの敵とは比べ物にならないほどの重装備をした兵士たちがホールに入ってきた。
「別荘・・・?どういうことなんだよ!」
と、ウォーラスが叫んだ。
「そのことは、此処で眠りながら考えておいてください。僕達にはこれからやるべきことが沢山ありますから」
アーネストがそう言った瞬間、兵士たちが銃を構えると、催眠ガスのような物を噴出させた。アーネストは即座にガスマスクを顔につけた。
ディンゴ、ウォーラス、リラ・ルーはその場に倒れこんでしまった。
「さぁ、そろそろこの醜い自演も終わりのときだ」
8275